呉の坂道散策


当然のように始発で出発
今回の呉市内の行動地図
Twitterを見ていると呉市の坂道の写真がたくさん流れてきて盛り上がっていたので急に行きたくなってきました。

週末に行ってきました。

いいんだよ旅行の動機なんてそんなもんで。

会社の出張がそれなりにあると聞いたのでJRの有料会員カードを作ったものの、コロナの影響で出張がなくなってしまい新幹線に乗ることはなくなってしまったので、 何かの機会に新幹線に乗らないと会費が勿体ないという理由では多分ない。

場所についてはよく調べてないけど、まあ適当に動き回ればそれっぽい場所に着くだろう。

新幹線
新大阪から新幹線で約2時間で広島。
和歌山市内に行くのと大差ないし餘部や白浜に行くより2時間以上も早い。

いやどうなってんの移動時間。いや大阪-広島間の話じゃなくて大阪-白浜間の乗車時間。
ちなみに翌日10/22はモバマスの藍子イベント最終日であり自宅待機してひたすら走る仕事があるので泊りは有りません。


港町小学校の校舎が見えるJR川原石駅
広島駅から呉線に乗換て各駅停車に揺られること1時間。
呉線は駅の数が多いのと時間調整で10分ほど停車する駅があるので地味に時間がかかる……

数駅を飛ばす急行に乗れたら少しはましなのですが、朝の早い時間はまだ各駅停車しか走っていないのと今回は各駅停車しか停まらない駅で降りる予定なので仕方ないと言えば仕方ない。

今回の目的地は呉の町はずれにある坂道なので、呉市街地の中心部にあるJR呉駅ではなく一つ手前にあるJR川原石駅で下車します。
この小さな無人駅で降りたのは私と地元在住らしいお婆さん一人だけでした。

人が行き違えないくらい細い駅のホームからは円形の校舎が特徴の港町小学校の校舎が見えます。

JR川原石駅前
駅前でブロンプトンを組み立てていると先程電車で一緒だったおばあさんに話しかけられたので せっかくなので地元の話を少し聞くことが出来ました。

こういうのはバイク移動だと出来ない体験だな。たまには自転車旅もいいね。


港町小学校と防空壕址
川原石駅から少し東方向に走ると先程、川原石駅のホームからチラッと見えた港町小学校の形がはっきりと見えてきました。

ここは現役の小学校なので外部の人間は立ち入ることは出来ませんが、改めて見ると小学校には見えない円形の面白い構造をしています。

下の石垣のところに見えているのは戦中に作られた防空壕の址らしい。

更にその手前は地元の方の駐車場(私有地)らしく、あまり余所者が長居していてはいけなさそうなので適当に退散します。


JR線路横の小路
細い踏切を渡って反対側に
JRの線路横の細い路地を上がったり下がったりしながら東に進みます。

こういうのも自転車移動の醍醐味だよな

JR線路横の小路から見える景色
…… でもなんだろう、初めて通るはずの道なのに物凄い既視感があるのは


両城の二百階段
JRの線路沿いの道を少し離れて住宅地の中に入ってきました。

まずは呉の坂道としては最も有名な場所かと思われる両城地区にある

「両城の二百階段」

にやってきました。

傾斜が急で長い階段が続いているという見た目が分かりやすいインパクトがあり、 戦前からあるという歴史価値も相まってこの場所は普通の住宅地の階段にもかかわらず、観光名所になっており、色々な映画などでも登場したりしているようです。

両義の二百階段登り始め
映画「海猿」ではこの長い二百階段を主人公達が酸素ボンベを担いで登るというハードなトレーニングのシーンがあり話題になりました。

え、こんな急な階段を20kg近い酸素ボンベを担いで登るんですか?


でも、ぼくがかついでいるのは重量12kgの折り畳み自転車+カメラ+カメラバッグなのでそれに比べれば軽い運動なので平気です

え、この階段を自転車担いで登るんですか?

階段途中のフェンスが途切れる撮影スポットで
オイオイ死ぬわ

(腕が)死んだわ


二百階段途中の撮影スポットから


両城の二百階段を登りきったところから
なんかこの斜面ギリギリに建ってる家と坂の既視感がすごいと思ったら

平地にある駅→急斜面に乱立する家と階段
という街の造りが枚方市&寝屋川市にある香里園町周辺とほぼ同じ構成なのか。

階段を登り切った先には両城の中学校があります。
この中学校や周囲の住宅へは別ルートから自動車も通行できる道が通っているので 今はこの階段を生活道路として使わなくても来ることが良いようです。

写真の中心に写っているのは次の目的地である両城の百階段。


両城の百階段 中学校の横を抜けて坂道を降りると今度は両城の百階段が登場します。

先程の二百階段と違い、今度の百階段は登っても先にあるのは個人宅(住宅地)だけで そこから他の場所に抜けたりは出来ないようなので下から見上げるだけです。

呉市街に向けて進みます。

実はこの両城と呉市街との間にTwitterの画像で勧められた愛宕の住宅地もあったようなのですが、 間違えて普通の新興住宅地の方に迷い込んでしまい 「ここには何もないな」とそのまま呉市街の方に抜けてしまったので写真はありません。

スマホのGPS頼りだと一本道がずれると全然違う方角に行ってしまうからもう少し丁寧な下調べが必要だったか

完全に徒歩だとじっくり時間をかけて散策しますが、 ブロンプトンで移動すると数キロの距離でも割とサクサク走ってしまうので 肝心なところもすっ飛ばしがちになるのか……


JR呉駅の前
呉駅とその前の商店街に到着しましたが、 時間はまだAM9時のためにコンビニ以外どの店も開いておらず買い物や食事などは出来そうにありません。

一度他の場所を散策して、店が開き始めるAM11時頃に再度戻ってくることにしましょう。


三ツ蔵…の裏手
今度は呉市北部、灰が峰に至る途中の坂道を散策するために呉市中心部から若干北上していきます。

まずは観光ガイドでも紹介されている古い住宅兼倉庫がある「三ツ蔵」に行ってみよう。

と向かったものの、通る道を一本間違えてしまって倉庫の裏側に出てしまいました

しかも「なんか観光ガイドで見た写真と微妙に違うな」と思いながらも裏側だということに全く気付かずそのまま裏側の写真を撮影して次の場所に移動。あれ?

細い道が多すぎてスマホのGPSが現在位置から結構な頻度でズレており、曲がるべき道をどんどん間違えるので行きたい場所から逸れていっています。


住宅地に迷い込んだ図
何が正しいルートなのか分からないまま、
とりあえず方角は合ってるから道なりに行けば多分着くはず(着かない)ままどんどん進んでいきます。

いいんだよ適当で。ざっくり行こうぜ

私の好きな言葉です。

このえぐい切り返しの道は前にも通ったことがあるけどまた香里園と勘違いしているのか? と思いましたが、以前に呉を訪れた時に灰が峰の展望台に行こうとしたもののナビに騙されて迷い込んだ住宅地でした。
道を間違えて変なところに迷い込むところは全く進歩していない……


特に何の変哲もない住宅地を登っていくとようやく案内板が見えてきました。

「すずさんがた」の案内板
この案内板からはもう少しのはず
(この後無茶苦茶迷った)


すずさんがた
この場所の説明
こうの史代の手書きサインがあった

というわけでようやく次の目的地 「この世界の片隅に」の作者の自宅があったという「すずさんがた」に到着しました。

劇中の主人公「すずさん」の自宅があるという設定の場所でもあります。

前に灰が峰の展望台に行く途中に迷い込んだ時も 「この辺りにすずさんの実家がある設定なんだよな」と思いながら走っていましたが、 実はだいたい当たりだったようです。(その時はこのパネルや案内板はなく公式からの情報提供もなかったので分からなかった)

実際の風景がアニメの背景資料として割とそのまま使われているので、
ここが隣の家
ここが銃撃があった時に隠れた溝
ここが井戸

と初めて来た場所ですが雰囲気は分かります。

他に特に何があるわけでもなく、近くに駐車場などがないので車やバイクでは来てもゆっくりは観ては周れない。
ただ急な坂道をかなり登らないといけないので徒歩や自転車だと大変という微妙な塩梅の名所です。


メロンパン本店
すずさんがたから山を登っても灰が峰の展望台があるだけなので、そこから坂道を降りて再び呉市中心部に戻ってきました。

時間は10:30
そろそろ店が開き始めるので、 まずは駅前の商店街から少し離れた場所にある「メロンパン本店」に行ってみましょう。

ここで販売されている「メロンパン」は神戸式のラグビーボール型の細長い形のパンに白あん風クリームが入ったもの。
関西だと神戸を中心によく見かけますが、全国的には割と珍しいあまり見かけない形状らしいです。広島駅の土産物コーナーでも見かけたけどきっと気のせい。

この細長いメロンパンが一般的なら通常の丸いメロンパンは神戸と同じくサンライズの名前で売られているのかなと思ったら、そちらは普通のメロンパンと呼ばれているので同じ瀬戸内の神戸とは文化がちと違う。

メロンパンとカレーパンを購入。


福住フライケーキ
続いて呉の商店街で前から気になっていた「福住のフライケーキ」を購入。

ちょうど揚げたてで出来たばかりのものを袋に詰めてくれました。

そこらで立ち食いすることも出来ますが、せっかくなのでどこか見晴らしの良いところに行って先ほど購入したメロンパンと一緒に食べようと思います。


串山公園から見える護衛艦
食事をするのに適当な場所を探して呉の市街地から若干南下。

何度目だ歴史の見える丘公園や海上自衛隊の地方総監部を通り過ぎたところにある「串山公園」という公園で食事することにします。

公園の散歩路を少し歩くと「海上自衛隊呉基地」と「アレイからすこじま」に停泊中の護衛艦が見える場所があったのでそこで休憩。


メロンパンとカレーパン
フライケーキ
メロンパンとカレーパンとフライケーキ

うん、カレーパンとフライケーキで揚げたパンが被ってしまったな。

フライケーキは日曜昼にホットケーキミックスで作る手作りドーナッツという素朴な感じでなかなか美味しい。
揚げたてをもらったのでまだほんのり暖かい。

メロンパンは形だけではなく味も和菓子風味の強い神戸式でした。
中には白あんベースのカスタードクリーム?がたっぷり入っており、密度の高い生地との相乗効果でかなり腹に貯まる。

これに加えてずっしり具が詰まったカレーパン。

うーん、これから商店街で見つけたお好み焼き屋に行って昼食をとるつもりだったけど既に腹がいっぱいになってしまったぞ。


JR呉駅から帰ります
時間は12時になったところ。
これからの予定を考えるべく、まずは帰りの新幹線の時間と空席状況を確認してそれを基準にタイムリミットを決めてそれまで散策しよう

そう思った時に問題発生。

19時頃に呉を出て20時台の新幹線に乗れば終電前に帰宅出来る見込みで動く予定でしたが、 新幹線の座席が19時から22時頃まで満席で取ることが出来ません。

いや待ってなんでこんなことになってんの?

と、ここで始まったばかりの政府の旅行支援政策のことを思い出しました。

もしかしてそのせいで日帰り客が殺到する夕方からの時間帯の座席が埋まってる!?

広島駅22時台初の新幹線に乗れば新大阪には終電前には着けるので、そこからギリギリ終電に間に合うか、最悪自走すれば帰宅出来そうではありますが、 さすがにそこまでチャレンジしたくない。

どこか空いている席はないかと空席状況を調べると15時30分の便に一席だけ空きがあるようです。

いや15時30分の広島発の新幹線に乗るには遅くとも14時に呉を出ないとダメなんですけど……

これから音戸の方へ散策に行くつもりだけど……

もし音戸の方に行くとしても往復の移動時間のことを考えると どう考えても音戸の散策時間は10分とかになるんですけど……

……帰るか!

教訓。勢いだけで旅行してはいけない。


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