答志島散策


答志島周辺地図
離島に行きたい
最初のきっかけはもはや何だったのか記憶にありませんが、急に島巡りの旅行に出かけたくなりました。

瀬戸内海の島を巡るためのガイドブックを買ったり、ネットで検索して旅行記を読んだりしてテンションを高めていきますが。瀬戸内海の島を巡るには最低でも一泊二日、出来れば二泊三日は欲しいところです。

もちろん盆でも正月でもないのにそんな都合よく連休が取れるわけもありません。

そんな時、ふと三重県の鳥羽沖にあった離島のことを思い出しました。

以前は神島の散策に伺いましたが、その道中にあった島々・・・答志島、管島、坂手島はまたの機会にと素通りしていました。

あそこなら十分日帰りでも散策できるぞ

思った日が吉日、早速週末に出かけるために準備を進めます。


近鉄特急の予約
以前鳥羽港にバイクで行った時にはバイク駐輪場がどこにもなくて駐車場所に困ったので今回は最初から電車で鳥羽に向かうことにします。

地元のAM5:40の電車に乗れば近鉄特急経由で鳥羽港AM9:00発の答志島のフェリーに乗れるはず。

バイクだと2時間少しで十分鳥羽まで行けるけど、電車だと片道3時間強かかるのか。
まあ仕方ない。

今はスマホで時刻表を調べたついでにこの特急に乗ろうポチっ
と押すだけで特急券が買える時代。便利になりました。


地元駅
近鉄特急
JR鶴橋駅から近鉄鶴橋駅に乗り継ぎ、ここから近鉄特急に乗り換え。

この時点で地元駅から既に1時間が経過しているけど気にしたら負け。

近鉄特急に乗るのは初めての気がする。

特急はそのままだと伊勢神宮の方に行ってしまうので、伊勢市の宇治山田駅で志摩方面の各駅停車の電車に乗り換えて近鉄鳥羽駅を目指します。


近鉄鳥羽駅に到着
ダイヤの遅れもなく予定通り近鉄鳥羽駅に到着。

魚のフィギュア
山間部(奈良の宇陀~三重の名張)を移動している時は 車窓から見える空が雲に覆われて薄暗く、もしかして鳥羽についても曇天ではとかなり不安になったのですが、伊勢市に入ったあたりから青空が見え始め、鳥羽に着いた頃には見事な快晴でした。

鳥羽駅には地元の小学生が作った魚の人形が飾られていました。
こういうのは見ていてなかなか楽しいものです。
長男じゃなければ耐えられなかった
長男だったから耐えられた。
長男じゃなかったら耐えられなかった。


鳥羽マリンターミナル
近鉄鳥羽駅からフェリー乗り場の鳥羽マリンターミナルへは徒歩5分ほどで到着。

近鉄の駅からは近いものの、近鉄特急が鳥羽駅に到着してから定期船が出港するまでは10分ほどしかありません。

あまり時間的な余裕はないので速やかにチケットを購入して定期船に乗らないと何もない待合所で1時間ほどぼーっと待つことになります。


和具港行きフェリー
フェリー乗船
鳥羽港から答志島の東側にある和具港行きの片道チケットを購入して即乗船。そして即出港。

今回の答志島散策は

  • 1 和具港周辺の散策
  • 2 北にある答志港周辺の集落散策
  • 3 島の西にある桃取港に歩いて桃取集落を散策
  • 4 桃取港から鳥羽に戻る

というプランで行く予定です。

答志島から他の島に行くよりも一度鳥羽に戻って別のフェリーに乗った方が管島、坂手島に行くには早いからです。
現地の移動はレンタルサイクルがあれば良かったのですが、今では旅館が宿泊客向けに貸し出している以外は鳥羽でレンタルサイクルを借りてフェリーに持ち込みしないとダメらしいです。
なので、基本的歩きが基本になります。

食事はまあ答志港は観光地の島だし、集落を歩いていたらどこかに何かあるだろう(急に適当)

和具港に到着
答志島の東にある和具港へは鳥羽から10分ほどで到着。

このフェリーは他の島に行くことはなく、そのままピストン運航で鳥羽港に戻っていくようです。

和具港からは管島や鳥羽も距離が近いだけあって普通に港から見ることが出来ます。

フェリーの乗船時間があまりに短すぎてあまり離島の実感がないままですが、散策を開始します。


和具&答志集落周辺の地図
和具の集落
古井戸
今まで散策した島は集落は津波対策のためか、潮風除けのためか、 海から少し上がった坂の上に集落が密集していることが多かったですが、 この答志島は海からそう離れていない場所に家が建てられています。

鳥羽の内海にあるから津波の危険がないからなのか、そこは分からない。

あとは井戸。

他の島だと浅い場所を掘っても海水しか出ないからなのか山の中に井戸や貯水池があったりしましたが、 この答志島は標高の低い集落のど真ん中に井戸があります。

鳥羽(本州)と島の距離が近いために地下水は鳥羽と繋がっているんでしょうか?


〇八の文字が書かれている
観光ガイドによると、 和具、答志集落の特徴として家の壁に墨で〇に八の字が書かれていることがあるとのことです。

家内や船の安全を地元の八幡神社に祈るために書かれた魔よけの印で これが書かれた家は八幡神社で祀られている神様に守護されるということらしいです。

ではその八幡神社に行ってみましょう。


見晴らし場への案内板
と思ったら早速迷う。

スマホの電波が入ったり入らなかったりでGoogleマップの精度がイマイチなために完全に勘(あてにならない)を頼りに歩いています。

案内板には「見晴らし場」とか書いてあるから多分こっちに行けば何かわかるかもしれない・・・


何も見えない見晴らし場
何の成果も得られませんでした!

逆方向にあった首塚の方にも行きましたがどちらも雑草と木が茂りすぎて 展望どころか何も見えませんでした。

時期によっては雑草が枯れたり木の葉が落ちたり自治体の人が草刈りをしてくれたりで綺麗な風景が見えるのかもしれない。


和具集落の八幡神社
大間の浜
見晴らし台のあった山を降りてからグルリと集落を回ってようやく和具の八幡神社にたどり着けました。

名前こそ八幡神社ですが、海から社に何かを呼び込む(追い出す)ように二重に立っている鳥居や 社の反対側が山になっているなど本州側によくある伊勢系の神道の神社というより土着の護り神/荒神的な要素が強いんだなというのはよく分かります。

さて、答志の集落はどこにあるのか。

Googleマップを参考にするならこの神社から海沿いに歩いていけばすぐの場所にあるはず?

道?

道なんてないが道とは……


廃旅館
昔の瓶ジュースの瓶
これは廃旅館かな。

意外と島のあちこちに廃墟化した建物があります。
昔は海水浴客で賑わっていたんだろうな。

ところで答志の集落はどこー


山道
答志の集落を探してしばらく山道を登っていきます。

5分ほど歩いて気付いたのですが、もしかしてこれ答志の集落ではなく完全に逆方向に歩いてきているのでは?

スマホで地図を確認しようとするも電波が入らなくてGoogleマップがまともに表示されない。

これは一体・・・


答志桃取線の案内ステッカー
しばらく歩くとガードレールに現在位置を示すシールが貼られていました。

答志桃取線!?

これ完全に島の西の桃取集落に向かう途中の山道だ。
答志の集落どこ!?

事前に調べた答志島の撮影/観光スポットはほとんど答志の集落に集中していたので、さすがにこれを逃すのは割とありえないのですが、山道を既に結構歩いているので今更引き返すのもまた面倒くさい。

仕方ない、答志の集落はなかったことにして桃取集落に向かおう。


答志中学校
しばらく歩くと答志中学校が見えてきました。

2020年時点ではまだ現役の学校で廃校にはなっていないようです。

事前に調べた情報通りだとこの中学校が建っている場所が山のピークで、ここからは下り坂になるはず。

桃取集落に向かってひたすら山道を進みます。

途中で展望山と書かれた案内板がありましたが、そこに行くための道は雑草で埋まっていたので、先程の見張り台(何が見えるわけでもない)のこともありスルー。

やはり今は時期が悪いのか。


刈谷湾
しばらく歩くと答志島北西にある刈谷湾が見えてきました。

ここまで歩いた距離は約5km

自転車でもあればすぐの距離ですが、徒歩だと山道もあるのでかなりの疲労があります。

とはいえ島内にはバスなどは走っておらず、先に書いた通りレンタサイクルもないので徒歩でしか移動できません。
うーん、やっぱり買おうか輪行用の折り畳み自転車。

答志島の旅行記のほとんどが和具や答志集落に集中していて西側の桃取集落についてほとんど語られないのは、この東西の集落間の移動が大変だからなんだな ということが分かりました。


桃取集落のとうじゅばし周辺 山道を降りたところが答志島西側の集落、桃取です。

海水浴場やホテルなどが多数立ち並ぶ和具に比べるとこちらは釣り客メインだからなのか 土産物屋などもなく見ただけでも地味なイメージがあります。

とりあえず散策を始めていきます。


桃取集落
ポンプ
東側との明確な違いは建物が山沿いに建っていて標高の低い場所にはあまり建物がないことでしょうか。

また、和具の集落と違い桃取の集落の家には八幡神社の〇八の魔除けが書かれていません。

同じ島なのに東と西でこれだけ雰囲気が違うというのも珍しい。
海岸


桃取小学校 桃取集落の一番端に建っている桃取小学校にやってきました。 これで桃取集落も一通り散策を終えたことになるのかな?

こちらの小学校は2017年に生徒数の減少などの理由により廃校になったようです。

桃取の集落の方が和具や答志より人口が少ないのと、 東側の集落より更に鳥羽に近い(フェリーで10分)ことなどから、 残った子供達は鳥羽市内の学校に通うことになったようです。


桃取港から鳥羽港へのチケット
鳥羽へのフェリー
桃取の集落を散策していると、朝はあれだけ快晴だったのも関わらず、空が黒い雲に覆われてきました。

時間は12:00。

歩いて島の東側に戻り答志集落を散策するも良し、一度鳥羽に戻ってから他の二つの島、管島と坂手島を散策するも良し
という時間ですが、天気が悪いのが気になります。

大雨が降ってフェリー欠航ということはないとは思いますが、いつ雨が降るかもしれないスッキリしない天気の中で観光してもあまり楽しさはないと感じたので今日の旅行はこれで切り上げです。

出来れば桃取集落で食事を取りたかったのですが、観光シーズンと時期がズレているからなのか営業している飲食店はなかったので (牡蠣小屋などがあるはずだが全て閉まっていた)食事は鳥羽市内に戻ってから探すことにします。

今回の反省は次に生かそう。
答志集落の散策とか・・・。

桃取港から鳥羽行きのフェリーに乗ります。


メカブ丼
鳥羽に戻ってから適当な食堂で昼食。

最初は答志で獲れた牡蠣を食べようと思っていましたが、今年は名物の牡蠣が病気のために不漁らしく、獲れた牡蠣も小粒でイマイチらしいので、鳥羽の別の名物である海藻を食べることにしました。

以前に和歌山で食べたアカモク丼が美味しかったのでここにもないか探してみたのですが、徒歩圏内の食堂にはアカモク丼を出す店はなかったので(車で15分の場所にはあるらしい)、代わりにメニューにあったメカブ丼を注文しました。

アカモクよりは少し固めなものの粘りはメカブの方が強く、同じ海藻丼でもこれだけ味が違うものかと感心。
メカブから出る出汁が美味しいので醤油とカツオのシンプルな味付けがメカブの味を引き立てるという。

食事の後は曇天の鳥羽では特にやることもないので自宅の土産の魚などを買って帰宅しました。

今回は不本意な結果に終わりましたが、次回こそは今回行けなかった答志集落と管島、坂手島の散策をしたいところです。


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