通常のソメイヨシノよりは早く咲くというクマノザクラという品種の桜が和歌山県にあると聞いたので休みを利用して見に行くことにしました。
クマノザクラは最近になって発見?された品種。
今まで早咲きのヤマザクラとして認識されていましたが、調べてみるとヤマザクラとは全く別の品種(新種)だったということが判明した桜です。
主な自生地は三重県の熊野市紀和町(丸山千枚田や赤木城周辺)から和歌山県の古座川にかけて。
さすがに古座川はちょっと行くには若干遠いのと、SNS情報で
「古座川の熊野桜はピークを過ぎて散り始めている」
という情報を目にしたので、今回は三重県の紀和町を中心に回ることにします。
奈良市内に入り、そこから京奈和道(未完成)ひたすら南下。京奈和道が途切れる橿原市内から国道169号線に入り、吉野川を越えて更に南下
ダムを超え、川上村を超え、大台ケ原を超え、上北山村に差し掛かったあたり、上北山村の小・中学校前の道路の右側に見慣れない花が大量に咲いているのが目に入りました。
春に咲く白い花なので、最初はどこにでも咲いているモクレンかコブシかと思ってスルーして通り過ぎたのですが、
若干違和感があったので、Uターンして花が咲いている場所まで引き返してきました。
道路隅の空きスペースにバイクを停めて近くに寄って確認すると、群生していた白い花の正体はみつまたでした。
国道169号線は何度も通ってきましたが、こんなところにみつまたの群生地があるとは全く知りませんでした。
そもそもみつまたの花がこれほどの数が群生している光景を見るのは初めてです。
スマホで検索をかけてみると、この「みつまた群落」は上北山村の名所として紹介されているページが表示されました。
そのページの情報によると、みつまたの花が咲くのは3月中旬から4月上旬。
つまり、みつまたの開花時期と上北山村にツーリングに来る時期が被っていなかったので気付かなかった
というシンプルな理由でした。
確かに桜の時期ならともかく、3月中旬は平均気温が低い年だと
紀伊山地の深い場所にある上北山村周辺は路面が凍結してる可能性があるため
訪れることはまずありませんでした。
ですが、こんなスポットを見逃していたのは悔しい。
せっかくなのでこのみつまた群落を見て回ります。
小さい花蜘蛛がかわいい
今日のツーリングの目的は熊野桜でしたが、思わぬ収穫がありました。
みつまたの花が完全に咲くと黄色の玉のような形状になるようですが、この中途半端に咲いて白が多めの状態が個人的には好きです。
こんな景勝地があるなら、来年以降も熊野桜とセットでツーリングプランを組んでまた来たいところです。
(路面凍結していなければ)
道の駅上北山村でトイレと飲み物休憩を取った後は更に国道169号線を南下します。
さすがに今の時期は車もバイクも少ないです。
和歌山県北山村に入ったあたりから和歌山を離れて三重県道40号線へ。
赤木城跡の案内板が見えたあたりから県道を離れて町道で赤木城を目指します。
赤木城跡に到着。
と言っても今回の目的地はここではありません。
二週間ほど後なら桜(ソメイヨシノ)が咲いて綺麗だと思われますが、今の時期はまだ何も咲いていません。
ここに来るのはここで三度目かな?
この周辺に熊野桜が咲いている(はず)という情報を元に散策を開始します。
まずはスマホで熊野桜を検索したら一番最初に表示された「田平子刑場跡」に来てみました。
この桜が咲き始めたのはかなり早い時期のようで、もう散り始めて葉桜になってきています。
どうやら若干来るのが遅かった模様。残念。
道路脇に似たようなピンクの桜が咲いていて「あれも実は熊野桜じゃないかな」と思いつつも次の場所に移動します。
続いて特に説明のない紀和町赤木のクマノザクラ
ここもかなり散り始めていますが、何とか花見が出来るくらいには残っていてくれました。
花の形は確かにヤマザクラとはちょっと違っていて、それでいてソメイヨシノなどに比べると若干ピンクが濃い目の他の桜とは違う特徴があります。
ただ個体差ですと言われたら
「いや別に。まあそんなモンかと」
と納得してしまいそうな差と言えなくもない
望遠レンズを使ってアップで撮影すると散り始めているというのがよくわかる。
これはこれで綺麗なんですが、まだまだこんなもんじゃないというのが分かってしまうのが悲しい。
来年に和歌山県の古座川も含めた散策コースを考えてリベンジするしかなさそうです。
とりあえず今年はこれで撤収。
最寄りの道の駅である「熊野・板屋 九郎兵衛の里」にやってきました。
数年前に道の駅スタンプラリーを回っていた頃にはまだなかった比較的新しい道の駅です。
とりあえず昼飯と自宅への土産を何か買っていこう。
昼飯は季節限定のさくらそばを注文しました。
桜色の蕎麦と和歌山&三重の名物であるめはり寿司のセット。
さくらそばは塩漬けの桜の葉が練りこまれているのか色だけではなく香りや味もまるで桜餅を食べているかのような食感があり、桜の風味を感じられました。
めはり寿司は刻んだワサビ菜が入った炊き込みご飯を高菜でくるんだもの。
こちらも適度な塩分とワサビ菜のピリカラ味でなかなか美味しい。
これは季節限定にしなくてもレギュラーメニューで良いのでは。
食事の後はしばらく周辺の熊野桜を見て回りましたが、やはり時期が遅かったからか「これ」というものは見ることは出来なかったので諦めて帰宅しました。
来年こそは…