サイコロきっぷ 出雲市編1 鷺浦-宇龍-日御碕


サイコロきっぷ第二弾告知

2022年夏にJR西日本が実施した大阪発のサイコロきっぷの第二弾が始まりました。

これはサイコロを振って大阪市内のJRの駅からサイコロの出た目に設定された行き先までの切符を5000円で買えるというもの。

サイコロきっぷ第一弾が開催された2022年の夏は2回振って
兵庫県北部の「餘部」
和歌山県の「白浜」

に旅行しましたが、今回はどこが当たるのか。

2023年1月のサイコロきっぷの行き先は
加賀温泉 出雲 湯田温泉(山口) 博多
の四か所。

前回と違い今回はサイコロを1回だけしか振ることが出来ませんが、その分移動距離が長く割引率も高めになっています。

個人的には湯田温泉を引き当てたいところですが、山陰地方には色々と縁があるので出雲市行きが当たる気がする。


サイコロきっぷ行き先は出雲市

はい出雲市です

知ってた。

というわけで出雲市行きのチケットが当たったので早速旅の準備を開始です。

冬の山陰はかなり雪が多く気温も低くて路面凍結している可能性があるため、 2022年夏のサイコロきっぷ旅と違って折り畳み自転車を併用する案はなしです。

必然的に現地ではローカル電車とバスを併用することになります。

日帰りはさすがに厳しいので土日を利用して一泊二日の旅行とします。


島根県のフリー電車&バスチケット案内

現地での移動は主に地元のローカル公共交通機関である一畑電車と一畑バス頼りになります。
そこで頼りになるのがこれ
「縁結びパーフェクトチケット」

これは松江や出雲周辺の主要交通機関である一畑電車、 一畑バスが指定した日から三日間乗り放題になるというフリーパスです。 ※JRは不可

通常だとこのフリーパスは元を取るのが若干難しい4000円という強気の価格設定なのですが、 今の時期は島根県からの補助金が出ているので 事前に旅行代理店で予約しておくことで1000円で買うことが出来ます。

取り扱いはJTBと近畿ツーリストということなので早速JTBに向かってチケットを予約。

チケット自体は当日に出雲市内の一畑電車の駅で発行できます。

JTBでは550円手数料を取られましたがまあ


パーフェクトチケット引換券
環境省の鷺浦紹介ページ

日程は最短の土日である1/14~1/15は雨(雪)予報だったため、 翌週の1/21~1/22で計画します。

前日までに宿を予約。

また、当日は電車の乗り継ぎの時間の余裕はないため、チケットの発行や移動中のお菓子や飲み物の購入などは前日までに用意しておきます。

大阪-岡山間の新幹線や岡山から出雲までの特急やくもは車内販売も車内自販機もないので、事前に購入しておかないと約5時間飲まず食わずになるので飲み物や食べ物の事前調達は重要です。

続いてバスの移動時間を調査。
一畑バスはとにかく本数が少ないので乗り遅れたり乗り継ぎを間違えたりすると時間だけが無駄に費やされてしまい回れる範囲が一気に狭まってしまいます。

とりあえず外せないポイントとして
・出雲大社
・鷺浦集落
・宇龍集落
・日御碕灯台
・日御碕神社
この五か所をピックアップしました。


出雲市周辺地図

JRのみどりのまどぐちでチケットを発券

鷺浦と宇龍集落は昔の街並みが残る小さな漁村で、観光地らしい場所ではないもののかなり興味を惹かれます。
この機会を逃せば一生行くことはない可能性があるので、出来れば訪れてみたいところです。

ただ鷺浦集落へのバスは極端に本数が少ない上に乗り継ぎを間違えてバスを乗り逃すと何もない集落で2時間待ちになる可能性があります。

鷺浦集落へ行って戻ってくるバスの時間を調べると。

11:14 出雲大社 → 11:44 鷺浦集落
12:17 鷺浦集落 → 12:47 出雲大社

散策時間は約30分。
かなり駆け足ですが何とか散策出来そうではあります。
(バスが遅れないという前提)
一度出雲大社前のバスターミナルに戻ってきてそこから日御碕、宇龍集落方面へ向かうバスを調べると。

13:22 出雲大社  → 13:47 宇龍集落
15:54 日御碕神社 → 16:14 出雲大社

散策時間は約2時間。
Googleマップで日御碕灯台→宇龍集落→日御碕神社を周る徒歩でのおおよその移動時間を調べると約1時間なので少々オーバーしても大丈夫そうです。

この工程だと初日に出雲大社に行く時間はなくなりますが、逆に考えると日中は参拝客が多いので翌日の早朝の人が少ないうちに参拝した方が見て回るには良いだろうと考えられます。

ですので必然的に二日目の予定は

早朝に出雲大社
残りの時間で松江方面に行けるかな?
一畑電車での出雲-松江間の移動は約1時間なので、松江方面の観光は3時間ほど取れるかな?という計画になります。


岡山駅から伯備線へ乗換

いざ当日。
当然のごとく地元駅を始発スタート。

JR新大阪駅から6;00初の新幹線で岡山駅まで約1時間
JR岡山駅から特急やくもでJR出雲市駅まで約3時間

…3時間!?

いや遠いとは思っていたけど実際に体感すると3時間は割と長い。


一畑電鉄の電鉄出雲駅の切符売り場に出来た大行列

ようやくJR出雲市駅に到着。

ここから一畑電鉄の電鉄出雲市駅に乗り換えです。乗り換えの時間の余裕は5分って短いな。一畑電車がJRと全然連携する気ねぇ…

まあそこは愚痴っても仕方ないので電鉄出雲市駅の改札にやってきました。
ところが…サイコロきっぷ効果恐るべし。駅舎から行列が出来て溢れています。

この人の多さと次の電車の発車時刻を考えるとフリーパスである「縁結びパーフェクトチケット」の発行は無理だな と諦めて通常料金を払って電車に乗ります。

ここから一畑電車で川跡(かわと)駅まで。

そこで駅に待機している電車に乗り換えて一畑電車の出雲大社前…には向かわず、一畑電車の雲州平田駅に向かいます。 何故そんなところに向かうのかというと


ハンターカブ
海辺の風車が見えるの景色

はいレンタルバイクです。
しかも全国各地で品切れ納車待ちXか月が頻発しているハンターカブです。一度乗って見たかったんですよね

一畑バス乗り継ぎはどうしたって?

いやバスの時間に合わせたら鷺浦集落は30分以下しか散策時間がなくてそれは絶対に足りないし、 日御碕灯台と日御碕神社は二時間だし、移動場所はバス邸がある場所に制限されるし でレンタカーかレンタルバイクを借りた方が良いかなと。(言い訳)

本当に今日は晴れで良かった。

出来れば旅行の間2日間借りたかったのですが、 翌日1/22は松江&出雲は曇りのち雨もしくは雪の天気予報が出ています。
雪と凍結の危険がある中で慣れない道を走るのは得策とは思えません。

ということなので1/21だけ借りて翌日1/22は電車とバスでの移動です。


通行止め

バスルートの制限がなくなったので、海沿いの県道23号線「斐川一畑大社線」沿いを西に走って鷺浦集落を目指すぞ!

30分後

!?

鷺浦集落への道が通行止め!?

いやちょっと待って
これだとレンタルバイクを借りた意味も予定も色々と終了するんですけど。


迂回ルート

仕方なくスマホで鷺浦集落への他の迂回路がないかどうかを探すと出雲大社の横から伸びた細い道から鷺浦集落に行けるようです。

一度雲州平田に戻ってから国道沿いに出雲大社に向かってそこから鷺浦集落に向かうという約15kmの迂回ルートになりますががまあ仕方ない。


また通行止め
迂回路の案内

出雲大社の前を横切って鵜峠を抜ける細くて急な登り坂をひたすら北上……

また通行止め!?

……いや、これは他に抜けられる迂回路が案内されているのでセーフか

路面状態はかなり悪いですが、バイクで走る分には特に問題はなし。

スマホで地図を確認すると通常ルートには鉱山跡の碑などがあるらしいですが、 工事中でその道を抜けられないのは仕方ない。

大回りで若干時間はかかりますが、確実に通れる道を進んでいきます。


鷺浦集落の住宅

通行止めで色々と迂回させられましたが、ようやく鷺浦集落に到着。

昔は北前船の寄港地として栄えた集落らしくて今も古いながらも大きな家が残っています。

海側にクラッシャブルな壁を作って海風から家を守るという構造は石川の能登半島北部、輪島周辺でも見られる光景だったので、そういう繋がりがある点でも北前船の寄港地だったという歴史が分かります。


神社の鳥居前
神社のウサギの像

集落にある神社の出雲大社摂社の「大穴持伊那西波岐神社」

ウサギの像が飾られているのは、出雲大社の主神である大国主命の使いがウサギということもありますが、 先ほど通った細い道が鵜峠、この集落が鷺浦。

鵜峠の「う」
鷺浦の「さぎ」

を合わせて

「うさぎ」

になることにもかかっているらしいです。

なので、この鷺浦集落に向かう一畑バスも「うさぎ線」だったりします。


鷺浦隧道
鷺浦の街並み

鳥取島根でよく見かける茶色い瓦が特徴の屋根
集落内は特に店もなく、集落に作られたカフェもこの閑散期でかつこの時間には開いていないようなので隧道や集落の路地などを一通り見て回った後は次の目的地である日御碕灯台に向かいます。

海沿いの道はこの鷺浦集落で一度途切れてしまうために少し山道を経由して出雲西部の海岸沿いの道である県道29号線、通称「みさきうみねこ海道」に出ます。

今度は通行止めがないことを祈ろう。


出雲西の海岸
日御碕神社ビューポイント

展望台

山道を抜けて海沿いの県道29号線に出た後は北上して日御碕灯台に向かいます。

その道中でガードレールの脇から灯台を散策した後に向かうはずだった日御碕神社が見えてしまうという ネタバレというかハプニングというか楽しみの先取というか 見てはいけないものが見えてしまうことがありましたが、多分気にしたら負け。
違うアングルから神社を観られてラッキーくらいに思っておこう。


日御碕灯台
灯台近くの遊歩道

日御碕灯台に到着。

この灯台もタイミング悪く、現在はメンテナンス中で灯台の中に入ることは出来ないために少し離れた場所から眺めるのみです。

今回の旅はそんなのばっかりな気がする。

灯台周辺に土産物屋もあったのですが、 時期と時間の関係なのかサイズの割に微妙にお高い干物くらいしか目ぼしいものがなかったのでスルー。

海鮮で地元ならではのものがあれば土産に買おうと思ったのですが、 近くに鳥取県の境港という大きな漁港があるので良いものはみんなそっちに持っていかれるのかな?

灯台周囲が公園になっているので、一通り散策してから次の場所へ向かいます。


宇龍集落
権現島

水産事務所前

灯台から少し東に海沿いに先に進んだ場所にあるのが宇龍集落です。

先ほど伺った鷺浦集落とは山を隔てて反対側にある集落であり、距離が近いからか集落の雰囲気はよく似ています。

この宇龍の「う」と鷺浦の「さぎ」を合わせてもやはり「うさぎ」になるのは奥が深い。

こちらも昔は寄港地として色々と栄えたようですが、今では特に目立ったところはない静かな漁村です。


日御碕神社の鳥居

日御碕神社

日御碕神社の境内

宇龍の集落から町道を進んでいくと日御碕神社に到着します。

境内や鳥居などが赤く塗られた昔は美佐伎(みさき)神社と呼ばれた歴史ある神社です。
祀られているのは出雲系の神ではなく伊勢系のトップ2の天照大御神とスサノオ。
漁村の近くの護り神なのでスサノオは分かるのですが、出雲系の神じゃない天照大神が祀られているあたり、 昔に出雲が滅んで大和系に征服された証として建てられた神社なんだなと思いました。

この神社は一畑電車からもJR線からもかなり離れた場所にあり、 かつ本数の少ないバスで来るのもなかなか大変な場所にあるからなのか参拝者は少なく、ゆっくり観て回れました。

ここで時計を見ると15:00。

宿は17:00チェックインで予約をしているので、そろそろレンタルバイクを返して宿に向かわないといけません。

時間としては若干早めですが、バイクを返すと移行は本数の少ない一畑電車と一畑バスでの移動になるので余裕を持った行動が必要になるので。

短い時間だったけどありがとうハンターカブ。
タイヤが摩耗していて無茶苦茶滑ったよ


今夜の宿。旅館銀海

バイク返却後は一畑電車で出雲大社前に戻り、そこからバスで今晩の宿に移動。

市内の安いビジホに泊まることも考えましたが、翌日は時間を有効活用するためになるべく観光地に近い場所から動きだしたいということもあり、 「みさきうみねこ海道」沿いにある夕食付きの宿の予約を取ってみました。

今の時期は政府の旅行支援政策により宿泊代金から補助が差し引かれて2千円引き、更に1000円分の島根クーポンが貰えるのでここで節約する意味はない。

旅行のピークの時期から若干ずれたからなのか、予約は意外と楽に取れました。
いつもは観光地で宿の予約を取れたことなんでまずないのに。


豪華な船盛

そして夕食。

うわぁ、ものすごいことになっちゃったぞ

ヒラスズキの造りと各種鮮魚の盛り合わせとスズキのアラ汁。 ちょうど日本海沿いはカニのシーズンなのでカニの脚まで付いてくる。
更にこの後にグレの煮つけや魚のフライやウナギなども来ました。
量もすごいし海鮮も新鮮で全てが旨い。

また、調味料としてテーブルには地元出雲の醤油である「井ゲタ醤油」のたまり醤油が用意されていたのですが、 これが新鮮な魚介類によく合って更に味を引き立ててくれました。

明日はこの醤油を探して土産として買って帰ろう。

満足満足

食事の後は宿の中にある温泉で汗を流し、翌日朝からの散策に備えて早めに就寝します。

翌日1/22(2日目)に続く


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