昨年に引き続いて今年も和歌山県と三重県南部に自生する「クマノザクラ」を見に行きたいと思います。
昨年は三重県の紀和町中心に回ったのですが、今回は和歌山県の古座川町、その中でも古座川町にある虫食岩周辺から県道227号線沿いに咲いている熊野桜を狙っていきます。
まずは紀勢道出口のすさみ南ICまで一気に高速を利用して移動します。
すさみ南ICを降りたところが道の駅ですのでトイレ休憩がてら土産物を購入していきます。
みかんが欲しかったので文旦、不知火の二品種を購入。大阪で買う時の半額くらい。安い。
今回は熊野桜の散策に時間を割くために本州最南端の潮岬や橋杭岩には立ち寄る予定はありません。
他の多くの車やバイクが潮岬方面や周辺の海鮮料理を出す店に向かっていく中であえてスルーして国道42号線を東に向かいます。
このまま休憩なしで一気に古座川町まで行こう。
古座川まで休憩なしノンストップ一気に移動するつもりでしたが、国道42号線と並行して走るJR線紀勢線の線路にパンダの塗装がほどこされたパンダ特急が走って来ましたのが見えました。
珍しい電車であまり撮る機会がないので、慌てて脇道にバイクを停めてカメラを取り出して撮影。
別に電車を撮るつもりはなかったので何の準備もしておらず、走ってる電車を見てからカメラの電源を入れるというタイミングがギリギリなので間に合わない可能性もありましたが、カメラの性能のおかげもあり何とか綺麗に撮ることが出来ました。
出発しようと思った時にJRの高架の向こう側に変わった形の木造の建物が目に入りました。
なんだろう、形からすると古い学校?
気になったので確認のために近くに行きます。
門柱には「養春小学校」と書かれていました。
スマホで検索して調べてみると、この学校は何年か前に廃校になっており、現在は観光用に開放されているようです。
敷地内への進入が禁止されているわけではないようなので駐車場にバイクを停めて校舎の方に近づいていきます。
校舎の一部は「セ・ラ・セゾン」という洋菓子店として使われているようでした。
せっかくなのでこの洋菓子店で何か買っていこうと思います。とりあえず清見オレンジの乗ったショートケーキとホワイトロールケーキを購入。
出来ればこの場で食べたかったのですが、この洋菓子店には飲食コーナーはなかったので、どこか景色の良い場所で食べたいと思います。
ケーキはリアボックスの中に入れてすさみで購入したミカンで動かないように固定。
食べるまで振動でグチャグチャにならないことを祈る。
この洋菓子店として使われている部分以外の校舎内も見て回りたかったのですが、関係者以外立ち入り禁止のようなので観て回ることは出来ませんでした。
残念。
国道42号線からJR古座駅を目印に路地に入っていきます。
古い町並みが多く残る古座の町を抜けて和歌山県道227号線へ入り、そこから道なりに進みます。
虫食岩。
この古座川周辺にはよくある小さな穴が多数開いた岩で、火山性のガスが抜けた跡が隆起して地上に現れたものらしいです。
ただこの大量に開いている穴は蓮コラのようであまり見ていて気持ち良いものではないので華麗にスルー。
ただ今回の目的はこの岩ではなく、この岩の周辺に咲いているという熊野桜なので更に県道を先に進みます。
虫食い岩から少し進んだところで、ようやく今回の旅の目的である熊野桜を確認。
容易に近づけないかなり山中に自生しているので、望遠レンズで県道沿いから撮影します。
満開と言っていいほど咲いているものの、近寄れないのであまり花は堪能出来ません。
近くだと結構白く見えるのですが、こうやって距離を開けるとかなりピンクがかった色に見えます。
県道を更に進むと、比較的道路に近い場所に熊野桜が数か所生えていました。
ようやく花見らしくなってきました。
こちらは古座川のタイプ標本木の熊野桜。
この木は古座川周辺では一番最初に開花する熊野桜のようであり、また開花宣言を出す基準=標本木になっています。
どうやら他の熊野桜より一週間ほど開花が早いようで、その分散るのも早く、現在はほとんど花が残っていません。
熊野桜が近くに生えている待避所を見つけたので、花見がてら昼食を取ります。
昼食は串本町の洋菓子店で買ったケーキ。
リアボックスに収納していましたが、しっかり固定していたので崩れず原型がしっかり残っていました。
それなりの値段がするだけあってどちらも美味しい。
清見オレンジの適度な酸味が効いているショートケーキもミルククリームたっぷりのロールケーキもどちらも美味しい。
満足。
とりあえず休憩を兼ねて最寄りの道の駅である太地町の「道の駅たいじ」に立ち寄ります。
自宅への土産として紀伊半島の土産の定番、サンマの干物と太地の名産である鯨の赤身&スジ肉の煮込みを購入。
紀伊半島のサンマの干物は味が濃厚で美味しいし、鯨のスジ肉はおでんに入れても良し、味噌で炊いて土手焼きっぽく仕上げても良し。牛スジより安く山盛りなのが嬉しい。
鯨の赤身は定番の水菜のスープに調理予定。
そういえば太地町は道の駅と捕鯨資料館くらいしか見たことがなかったなと気付いたので、これからの進路のことはさておき、せっかくなので太地の町を観光して回ることにします。
こういう行き当たりばったりが最高にツーリングしているという感じがして好きです。
ただ下調べは全くしていないので太地町内に何があるのかは不明のままです。
まあ何もないということはないだろう。
快晴なこともあり、景色も予想以上に綺麗で風光明媚です。
紀伊半島南部で見られる独特のグリーンの綺麗な海と漁港の風景がたまらない。
太地町は捕鯨ばかり有名ですが、それ以外の場所もなかなか観光しがいがありそうです。
この灯台に立ち寄るのも初めてです。
灯台は日本全国海沿いの場所ならばどこでも建っていますが、灯台の間近まで寄れる場所は意外と少ないのでこれもなかなか楽しい。
落合博満野球記念館は残念ながら閉館中でした。
というか和歌山県のどこかに記念館があるという話は以前に聞いていましたが、まさか太地町(の外れ)にあるとは知りませんでした。
港町も細い路地や階段など古い漁港の雰囲気が残っており、こちらもなかなか楽しめます。
太地町は国道42号線か微妙に離れているので今までほとんど通過するだけ、立ち寄っても捕鯨資料館くらいなので観光したのは今回が初めてだったのですが、実にもったいないことをしていました。
今度はもう少し時間に余裕を持たせてじっくりと周りたいところです。
太地町から北上して新宮市に入りました。
ここから国道168号線に入ってそのまま北上するのが自宅への最短帰宅ルートなのですが、やはり紀和町の熊野桜の様子も気になるので、ツーリングを続行したいと思います。
紀和町方向に向かうために分岐がある熊野市まで国道42号線を北上します。
熊野市から県道に入って西北西方向に進み、目印である赤木城址&丸山千枚田へ
・・・行く途中で観光バスが細い県道をゆっくりと走っていました。道幅が狭いために切り返しや対向車の回避などでなかなか思うように進まず時速30kmくらいのゆっくりとした速度で動いています。
なんでこんなところに観光バスが!?
観光バスが立ち寄りそうな場所で思い当たるのは丸山千枚田くらいでしょうか。
このまま観光バスの後ろにくっ付いて丸山千枚田方面に向かうと下手をすると熊野桜にところに着いた頃には日が暮れて何も見えなくなってしまいます。
時間短縮のために赤木城や丸山千枚田へのルートは諦め、観光バスとは別の道を通って他の熊野桜を見てから帰るルートに変更します。
一か所目。
こちらは若干満開には早かったのかまだ5分咲きくらいでした。
まあ仕方ない。次に行こう。
二か所目は見事満開。
こちらは今回のツーリングで立ち寄った熊野桜の中では一番でした。
しかも木の近くまで寄れるので文句のつけようがありません。
さすがに満開の熊野桜というだけあって、数人が撮影のために順番待ちをしていたので、しばらく待つことになりましたが、それでも十分満足です。
私の後にも他の方が順番待ちをしていたので撮影の順番が来たら3分以内で撮影を済ませて速やかに撤収。
帰宅途中の国道169号線。
昨年と同じような時期なので、もしかしてミツマタの花も咲いているのではと上北山村のミツマタ群生地に立ち寄ってみると、こちらも見事に満開でした。
もう少しじっくり花を見て回り撮影したかったところですが、この時点で時間は既に17時近く。
この時期の国道169号線は陽が暮れると氷点下近くまで気温が下がるために、出来るだけ早く山間部を抜けてしまいたかったので、ミツマタの撮影は最低限に済ませて帰宅しました。
今回のツーリングはこれにて完了。
目的の熊野桜も古座川と紀和町の両方で見ることが出来て、更に太地町の町並みなどの観光など久々に満足度が高いツーリングでした。